2/4立春の朝に、両親の飼う猫、ななが旅立ちました。
18歳の女の子、老衰。大往生です。
両親の愛をいっぱい受けて、いっときは孫たちも一緒の大家族の中で育ちました。
家が大好きで、脱走してもすぐに見つかる臆病猫。
人懐こくておとぼけで周りを和ませる女の子でした。
毛並みも美しく、長い尾っぽの動きも女の子らしくて。
親戚たちが別れを告げに訪れ、どんなふうに葬ってあげようかという話し合いになりました。土に還して次の命の糧になってほしいね、ということになり、みなの賛成を得て、風葬することにしました。近所の私の庭にと思いましたが、土の状態が亡きがらを受け止められる微生物の温かみがまだ育っていません。次の命に移れる、腐敗ではなくスムーズに分解してもらえるような温かな土にはなっていないことは私でもはっきりわかりました。
日頃より動物たちの亡きがらを風葬されていた高田造園の高田さんに相談し、土気のダーチャの森の中で風葬させてもらうことになり、昨日土に還してきました。
ななは母から春色のチューリップとスイトピーをそっとのせてもらって車に。
父が見えなくなるまで見送っていたのがミラーに映り、ずっと涙が止まりませんでした。 私が一家代表で執り行った風葬。
だっこして、どこがいいかな?と森の中に入りながらななに語りかけました。
動物は自分の最期の場所は自分で選ぶと言われてます。ななは家猫でしたから、外の世界を知りません。
もし自由だったらどこを選ぶ?と繰り返し聴きながら、椋の木の根元のふっくらした場所に、ななを抱っこしながら寝転んでみました。
北風が強い日でしたが、森の中は風も和らぎ穏やかです。きもちがいい。
ここなら安らかに土に還れそう。
そう深くない土を掘ります。
竹炭、もみ殻燻炭を掘ったところに混ぜ込みます。落ち葉を入れふっくらところに、麻布を敷き、ななを寝かせてあげました。
体のまわりに竹炭や燻炭、私の庭の落ち葉も。
お正月に孫の凪ちゃんが集めてくれた落ち葉です。
麻布をかぶせて手を合わせ、
ありがとうとごめんね。を伝えました。
掘った土や落ち葉を盛り、小枝をからませこんもりと。風景に溶け込むよう埋葬しました。母からもらった春色のお花を手向けます。
森全体にななの命が優しく吸い込まれていくのがわかります。
うれしい時も悲しい時も、年老いた両親のそばにいてくれました。
ひとりごとを言える相手がいなくてしばらくはさみしいでしょうが、みな感謝しかありません。 どうか安らかに。
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