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人は、草花がドライになり色褪せると、枯れてしまったというとらえ方をしがちです。 その先にある味わいのある美しさにも目を向けていただきたく、生徒さんたちにお話ししています。心を込めて自分で制作したリースですから、それはそれはたからもの。フレッシュな花材たちがドライになるとどのような風情を見せてくれるのかを楽しみに見守れるようになります。
もし、生徒さんたちが心にチクチクしたもの抱えていたとしても、植物たちに触れながら心穏やかに 整っていく様子は手にとるようにわかります。植物が重たいものをすうっと吸いとって軽やかにしてくれているような、もともとあった生徒さん自分の力が引き出されるような、依存も副作用もない理想的な整いかたなのです。
道すがら見かける素朴な草花や、山や森から採取された木の枝やつる、実ものなど。
植物たちは季節の移り変わりや土地の様子を映し出してくれる大切な存在です。
昔の歌人たちは植物を通じて一句の歌に思いをしたため、今に伝え残してくれています。
私たちは時代を超えてその当時の情景に思いを馳せつつ、これからの環境の変化に影響を受ける植物たちに愛情を注いでいけたらと思います。 いつの時代にも芸術や音楽は心のうるおいでした。戦争があった時代でも、それが贅沢なことと取り上げられてしまっても、自らの心に花を咲かせてゆけた人もいるはずです。 植物を愛でるやさしさは、平和に通ずるものと信じています。
淘汰されてゆくのは動物や植物だけではないこと。私たち人間もそうなのです。 うつくしいものを作れる環境に感謝し、守ってゆきながら、心のうるおいを保ってほしいと思っています。
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